マンション大規模修繕談合疑い 公取委、新たに数社に立ち入り検査
マンションの大規模修繕工事における入札談合疑惑が浮上し、公正取引委員会は2025年3月4日に関東地方の施工会社約20社への立ち入り検査を実施しました。
この問題は長年業界内で「暗黙の了解」とされてきたもので、多くの企業が関与しているとみられています。
問題の核心には、施工会社、設計コンサルタント、管理会社が結託し、価格調整やバックマージンの支払いを常態化させている構造があり、
管理組合に経済的負担を強いています。
「設計監理方式」という一般的な手法では、施工会社から設計コンサルや管理会社にバックマージンが支払われることが多く、
その結果として工事費が不必要に高騰しています。
具体的には、修繕積立金の1〜2割がバックマージンとして消える可能性が指摘されており、この影響で全国的に積立金不足が深刻化しています。
さらに、設計コンサルタントや管理会社が「出来レース」を行い、特定の施工会社が工事を落札する仕組みがあることも問題視されています。
手口の一例として、施工会社がダミーの見積もりを作成し、表面的には競争があるように見せかけるケースがあります。
また、施工会社間で新規事業者を排除するために過剰な応募条件を設定し、参入障壁を高くする慣行も存在しています。
このような状況下では、管理組合が不正を見破るのは極めて困難であり、業界内部の浄化が進まない要因となっています。
今回の公取の立ち入り検査は、業界全体に大きな影響を与えると見られています。
不正行為が確認されれば、関与した企業は経営に深刻な影響を受ける可能性があり、透明性を求める声が高まるでしょう。
また、設計コンサルタントや管理会社への検査も視野に入っており、彼らの収益モデルが破綻することも懸念されています。
この問題の根幹には、管理組合の利益を無視し、業者間での非公式な連携による経済的損失が存在しています。
一部では国土交通省の通知や調査を契機に、管理組合側の意識が高まりつつありますが、それに伴い談合や価格調整の手口も巧妙化しているため、根本的な解決には長い道のりが予想されます。
| Name | etc. | |
|---|---|---|
| 長谷工リフォーム | ||
| シンヨー | ||
| 中村塗装店 | ||
| 建設塗装工業 | ||
| 日装・ツツミワークス | ||
| 大和 | ||
| リノ・ハピア | ||
| 富士防 | ||
| YKK APラクシー | ||
| ティーエスケー | 3月4日公取検査 | |
| 三和建装 | 3月4日公取検査 | |
| ニーズワン | 3月4日公取検査 | |
| シミズ・ビルライフケア | ||
| 建装工業 | ||
| 大京穴吹建設 、 | ||
| SMCR 三井住友建設系の | ||
| ニットクメンテ | 3月5日HP検査公表 |
マンション大規模修繕談合疑い 公取委、新たに数社に立ち入り検査
毎日新聞 2025/4/23 13:00(最終更新 4/23 16:17)
公正取引委員会の看板。公正取引委員会などが入る中央合同庁舎第6号館B・C棟で=東京都千代田区霞が関で2019年、本橋和夫撮影
マンションの老朽化に伴う大規模修繕工事を巡る談合疑惑で、公正取引委員会は23日、独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いがあるとして新たに数社を立ち入り検査した。関係者への取材で判明した。 公取委は3月4日に工事施工会社約20社を立ち入り検査し、大手ゼネコン子会社などへの追加検査も実施。これまでの調査過程で談合への関与が浮上したのは30社以上とみられる。
今回新たに判明した検査先は、大京グループの大京穴吹建設(東京本社・東京都渋谷区)や三井住友グループのSMCR(本店・同中央区)など。外壁や内装、防水といった修繕工事の見積もり合わせや入札の際、事前に調整して工事価格や受注者を決めていた疑いが持たれている。 マンションの資産価値の維持・向上などを目的とする大規模修繕工事は、住人で構成する管理組合が計画し発注するのが一般的。専門的な知識や相場観が乏しい場合もあり、談合によって工事価格が不当につり上げられていた可能性がある。公取委は首都圏の高層マンションなどで談合が数十年前から繰り返されてきたとみて全容解明を進める。【山田豊】
マンション修繕工事談合の疑い、公取委が追加立ち入り 計約30社に
高島曜介2025年4月23日 20時46分
公正取引委員会
マンションの大規模修繕工事を巡って談合したとして、公正取引委員会は23日、独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いで数社を立ち入り検査した。関係者への取材でわかった。
マンション修繕の発注先は「談合の検査対象」 住民「心身ボロボロ」
23日に立ち入りを受けたのは、不動産会社「大京」の完全子会社「大京穴吹建設」(東京都渋谷区)や三井住友グループの「SMCR」(中央区)など数社。
公取委は3月から工事業者の立ち入り検査をしており、今回の追加で約30社となった。
関係者によると、これらの工事業者は、マンション管理組合が発注した大規模修繕工事の見積もり合わせや入札で、事前に受注業者や受注額を決めていた疑いがある。
公取委は、住民ら管理組合から委託を受け、工事業者の選定に関わる設計コンサルタント業者数社も調査しており、解明を進める。
マンション修繕談合、清水建設子会社に立ち入り コンサル業者も調査
高島曜介2025年3月31日 5時00分
公正取引委員会が独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いで立ち入り検査に入った業界大手「建装工業」の本社=2025年3月30日午後4時35分、東京都港区西新橋3丁目、高島曜介撮影
マンションの大規模修繕工事で談合を繰り返した疑いがあるとして、公正取引委員会は30日までに、 清水建設の完全子会社など工事業者数社を独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いで立ち入り検査した。
住民ら管理組合から委託を受け、工事業者の選定に関わる設計コンサルタント業者数社を調査していることも判明した。関係者への取材でわかった。
マンション修繕の発注先は「談合の検査対象」 住民「心身ボロボロ」
公取委は4日に工事業者約20社に立ち入り検査を実施。今回の追加で、対象が大手ゼネコン子会社やコンサル側に拡大した。
公取委は、修繕の適齢期を迎えるマンションが増える中、業界で数十年前から談合が続いて修繕費がつり上げられていたとみて、実態解明を進める。
関係者によると、新たに立ち入り検査を受けたのは清水建設の完全子会社「シミズ・ビルライフケア」(東京都中央区)や業界大手「建装工業」(東京都港区)ほか数社。
対象の工事業者は約25社になった。
関係者によると、これらの工事業者は、マンション管理組合が発注した大規模修繕工事の見積もり合わせや入札で、事前に受注業者や受注額を決めていた疑いがある。
工事業者が受注する過程に設計コンサル業者は関わっており、公取委は談合解明にコンサル側の調査が不可欠と判断した。
修繕の専門的知識が乏しい住民が大半のマンション管理組合は、工事の適正な発注を期待し、業者選定のサポートなどを設計コンサルに委託することが多い。
だが、コンサルが介在しながら、適正な選定がなされない事例が目立つという。
公取委は、大規模修繕工事の市場規模が広がり、工事の人件費や資材費が高騰する中、談合でさらに不当に修繕費がつり上げられ、住民負担が増した恐れがあるとみている。
<社説>マンション談合 「悪習」を改める契機に
東京新聞2025年4月18日 06時58分
マンションの大規模修繕で談合を繰り返していたとして、公正取引委員会は独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いで、 関東地方の修繕工事業者20社以上に立ち入り検査した。
マンションは定期的に大規模な修繕が必要だが、不当に高額な施工がまん延しているとの指摘は以前からあった。
「悪習」を改める契機にしてほしい。
全国のマンションは約700万戸。国土交通省の調査によると大半のマンションは12~15年ごとに大規模な修繕を施し、 1戸あたり75万~150万円を支払う。入居者でつくる管理組合が漏水や外壁のはがれ、鉄筋の腐食などの経年劣化に備えて修繕費を積み立てておき、対処するのが一般的だ。
管理組合は多くが、清掃や設備点検などの業務を外部の管理会社に委託している。
大規模修繕時も同様で、管理会社や設計コンサルタント業者に任せ、入札などで工事業者を選ぶ。
今回、約20社の工事業者は事前に落札業者や額を決めていた疑いがもたれている。
入居者は不当に高い工事費を支払わされた可能性がある。現時点で今回の立ち入り対象は工事業者に絞られているようだが、 「談合の首謀者は工事業者ではなく、主にコンサル業者で、時には管理会社のケースもある」と明かす専門家もいる。
国交省は2017年、 そうした手法でバックマージンを得ていたコンサル業者が存在すると警告する通知を管理組合の団体などに出している。
他地域でも談合が常態化している可能性は捨てきれず、公取委は徹底した調べで全体像を解明すべきだ。
昨今の資材、人件費の高騰で、当初の修繕積立金では工事費が足らない、という切実な問題も各地で報告されている。
適正価格がより見極めにくくなっていることも背景に、いわば、「素人集団」である管理組合側が付け込まれ、談合でさらに工事費がつり上げられているとしたら悪質だ。
入居者側にも、「丸投げ」にしない程度の知識は求められるが、マンション管理士や建築士ら信頼のおけるプロから逐次助言を得る仕組みを整えておきたい。
先駆的な取り組みとして、名古屋市などはマンション管理士らを、講師役として無料で管理組合側に派遣する制度を設けている。
ケースによっては公益財団法人「住宅リフォーム・紛争処理支援センター」などの相談窓口も活用したい。
談合疑い、公取が新たに立ち入り マンション修繕、約30社に
2025年4月23日 16時44分 (共同通信)
公正取引委員会
関東地域のマンションの大規模修繕工事を巡る談合疑惑で、公正取引委員会が23日、独禁法違反(不当な取引制限)の疑いで新たに大京グループの大京穴吹建設(高松市)など 数社に立ち入り検査したことが関係者への取材で分かった。3月に修繕工事会社二十数社に立ち入り検査をしており、調査対象は約30社となった。
関係者によると、23日に立ち入り検査を受けたのは、大京穴吹建設の東京本社や三井住友建設グループのSMCR(東京)など数社。
これまでに検査に入った会社から収集した情報などから、新たに関与の疑いが浮上した。
各社は高い工事価格を提示するなどし、受注予定の社が選定されるよう調整した疑いがある。
2024.04.23 マンション大規模修繕の巨額利権に「住民スパイ」が群がるケースも…あなたのマンションも「談合グループ」の餌食に!【マンション管理クライシス】 週刊現代講談社 巨費が動くマンションの大規模修繕においては、国交省も指摘するように不適切な設計コンサル会社が暗躍している。 しかし管理組合にとって彼らを見抜くのは非常に困難であるという。 (*記事内容は編集部が保証するものではありません。実際のマンションの状況に合わせて考え方を参考にしてください) 設計コンサルを普通に選べば、談合の被害が“既定路線”に なぜ管理組合が談合のターゲットになるのか。「スマート修繕」代表の豊田賢治郎氏が解説する。 「管理組合は設計コンサル会社に対する評価軸の知識がないため、管理組合内の多数決になると、自ずと価格と実績で選定することになります。 となると、キックバックを多くもらう設計コンサルのほうが価格競争力を有しているので、結果、受注実績を稼ぐことができます。 つまり、不適切な設計会社ほど採用されやすい、という構造的な問題があるのです。残念なことに、この状況は改善されそうにないと感じています」 そうは言っても、実績のない会社に頼むというのもリスクに感じる。そこで工事に関係のない、実績のある第三者的なマンション管理士などに意見だけ聞くのも一つの手だ。 しかし豊田氏は、「マンション管理士の多くは管理は詳しいが、工事については詳しいとは言えない人も多い。 該当する工事のコンサルティング実績を確認するのも選択肢です」とアドバイスする。
まとめ
マンションの大規模修繕工事をめぐり、公正取引委員会は2025年3月4日に関東地方で独占禁止法違反の疑いがあるとして施工会社約20社に立ち入り検査を行った。 この背景には、長年業界内で暗黙の了解とされてきた入札談合や価格調整の問題がある。
施工会社と設計コンサルタント、管理会社との間でバックマージンが支払われ、これにより修繕工事の費用が割高になり、 管理組合が負担する修繕積立金が不足するなどの問題が生じている。
また、談合や価格調整の手口には「出来レース」やダミー見積もりを使った不正が含まれており、新規参入を阻む参入障壁も存在する。業界の浄化は困難であり、 公正取引委員会の立ち入り検査や調査が業界に大きな影響を及ぼすと予想されている。 この問題の核心は、管理組合の知らないところで業者間のグループ化や非公式な受注調整が行われることにより、 経済的損失をもたらしている点にあると言えます。




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